口角炎 3
− くちばしが伸びる −
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こんなになってしまいました。下くちばしの穴は喧嘩の跡。(4月21日撮影)
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ヤッピーは、度重なる通院を経て随分と強くなった。
チェリーに対して前にも増して強気になったが、オカメインコのサブレに対しても態度を一変させた。
以前は、サブレが来るとすぐに逃げ出していたのが、“ボク、逃げないもん”という態度をとるようになった。
1羽だけで通院するようになってから変わり始めたのだが、初めのうちはチェリーと共同戦線を張っていた。サブレが近づこうとすると、2羽で向かっていくようになった。チェリーがヤッピーを助けている場面も何度か目撃した。
それがやがて、ヤッピー1人でも平気になった。サブレが来ても「何だよ〜」とガンを飛ばすようになった。
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口角炎の治療期間中は、わずかながら皮付き餌を毎日与えていたのだが、投薬をやめると同時に皮付き餌もおしまいにしてしまった。
もう、あんな思いは二度としたくはなかったから、可能性のあるものは排除しておきたかった。
しかし、ヤッピーにそんな事情が分かるはずもなく、皮付き餌が出なくなった事が不満なようであった。
ヤッピーが皮付き餌を欲しがっているのは分かっていたが、取り合わなかった。
するとどうだろう、ヤッピーは思いがけない行動に出た。
サブレのケージに侵入して、皮付き餌を失敬するようになったのだ。
それまで、チェリーもヤッピーもサブレが皮付き餌を食べていても全くの無関心であったが、やはり、ちゃんと見ていたようだ。
初めのうちは、サブレの留守中にこっそりという感じであったのが、次第にエスカレートしていった。やがて、そばにサブレがいても不法侵入するようになった。
そしてある日、中にサブレがいるにもかかわらず、文鳥たちが押し入った。ヤッピーは大きな顔をして皮付き餌をぱくつき、チェリーは上の方にセットされているペレットをむさぼっていた。
文鳥2羽に挟まれて、サブレは困り顔でこちらを向き「ヤァ!」と言った。文鳥にコケにされているのに追い払えないという事実を認めたくないようであった。“入れてやってるんだよ”という態度だ。
プライドを傷つけてはいけないから、「ブーちゃんは心が広いんだねー」と言いながら、文鳥たちを追い出してやった。
こんな事が何度か繰り返された。見ていると、ヤッピーが先導してサブレのカゴに押し入っている。信じられない光景であった。
「欲しがるときには皮付き餌も与えてください。」という前任の獣医さんが言った事を、図らずもというか心ならずもというか、実践してしまう事になった。
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ヤッピーのくちばしの伸びは止まらなかった。どんどんひどくなり、ペレットのカスが挟まるようになった。粒状のものは噛み砕くのもやりにくそうだ。
そして、またもや口角炎の兆しが見え始めた。前と同じところに、うっすらとではあるがペレットの粉が貼り付き、剥がすとわずかに粘り気があった。すぐに消毒してやったが、痛そうだ。
くちばしも、このまま放置するとさらに噛み合わせが狂っていくのではないかという気がした。口角炎だって早めに処置した方がいいに決まっている。
あれからまだ3週間。またか、と少々うんざりしながらも、また病院へ行く事にした。
2007年4月28日(土) 診察
連休初日、病院は混んでいるのではないかと心配したが、待合室には2人しかいなくて拍子抜けした。
待ち時間は殆どなかったが、その間におとなしく診察を受けるようにとヤッピーに言い聞かせた。
しかし、診察室に入るとやっぱりダメだ。ヤッピーは、キャリーケージの中をバタバタと飛び回り、全然、先生に顔を見せようとしない。
「やっぱり、つかまないとだめですね。」先生はそう言って、ヤッピーを捕まえた。
体重は 26g 。ちょうど、いろいろなペレットを試し始めたときだったから、少し減ってしまったようだ。道中も、そんなに食べている様子はなかった。。
「ヤッピーちゃん、君は早いねー。」と話しかけながら、先生は診てくださった。
先生は、すぐに下くちばしのでこぼこに気付かれた。
「どこかにぶつかったりとかしましたか?」と聞かれたので、
「いえ、多分喧嘩です。」と答えた。
現場は見ていないが、状況証拠はそろっていた(容疑者はチェリー)。
3日前、くちばしの付け根にうっすらとくっついているものがあって、それを剥がしたとき、ちょっと怪しい感じがした事、その後2日間消毒をしてやって、昨日は大丈夫そうだったので消毒はしなかった事をお話しした。
「確かにちょっと付いてますね。でも、少し前はなってたのかなという感じはありますが、今は大丈夫です。」という事だ。
「ヤッピーちゃん、気にしている感じはありますか?」と聞かれたので、
どうしても食べかすが挟まってしまい、何度も止まり木などにくちばしをこすり付けている事をお話しした。
どちらかというと、くちばしが伸びてしまう事の方が心配なのだがとお聞きすると、
「くちばしの先の方も伸びてきてますね。」と言われた。
そうなのだ。今年に入ってから、ヤッピーのくちばしが細長くなったような気がしてならなかったのだ。特に上くちばしの先端が妙にとんがっているような気がしてならなかった。
ヤッピーのくちばしは、下くちばしが伸びてちょっと角がある状態だという。下のくちばしが伸びると、だんだん内側に巻いてきて、噛み合わせが悪くなるのだそうだ。
目に見えるのは上のくちばしだけだったが、それ以前に下の方が伸びてしまっていたのだ。
くちばしが伸びたり、噛み合わせが悪くなってしまう原因は何であろうかとお聞きした。メガバクテリアの治療中から急に起こった事であったので、少し心配だった。
「肝臓に障害があってという場合もありますが、ヤッピーちゃんの肝臓はそんなには大きくはないので心配ないでしょう。餌が変わったとか、何かにぶつかったとか、ちょっとした理由でなってしまう事も多いです。」という事だ。
単に“餌が変わった”という理由であってくれればいいが…と思った。
先生はピンセットとはさみを使って、ヤッピーの上下のくちばしの出っ張っている部分をこすって、きれいにしてくださった。
あんまり伸びるのが癖になるようだったら、自分で処置する事も考えているが、やっぱり危険であろうかとお聞きしてみた。
「今はまだ、そんなにはひどくないのでピンセットでこする程度ですみます。でも、ひどくなってしまうと、切らなくてはなりませんけど。」との事だ。
切るのは怖いが、こするだけで良いのなら、やってみてもいいかな〜と思った。
口角炎は、薬を飲むほどではないので、なりそうな気配があれば消毒をすればいいそうだ。
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フンの検査もしていただいて、異常なしであった。
あまり口角炎を繰り返すようなら、そのたびに痛い思いをさせるのも可哀想なので、今回の糞便検査に問題がなければ、また皮付き餌に戻す事も考えていた。
「口角炎にならないようにするためには、やはり皮付き餌に戻した方がいいですね?」
ともう一度、確認してみた。
「皮付き餌を食べている子でも、なるときにはなってしまうので、そうでもないです。ただ、合わないペレットを食べさせるとなりやすい、というのはあります。」
と先生はおっしゃった。
何だか前と話が違うような気がしたが、なかなかはっきりとした事はいえないのであろうかと思った。
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きれいになって良かったね!
(4月28日撮影)
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何を食べさせようかと、あまり考えすぎるのも良くない気がした。
適当にいろんなものを与えていれば、それでよいのではないかと思った。
ズプリームだって、もう2年も食べつけているのに、今更口に合わないというのもちょっと“?”である。
こればっかりにしてしまったから、というのはあるかもしれないが…。
ペレットを2−3種類と皮付き餌少々、という方法でやってみようかと思う。
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